moilyきよみのつれづれ

moily代表池宮聖実のブログです。

ついに出会えた、心がYESという工房

インドに来てずっと工房めぐりをしている。
何軒の工房を巡ったかわからない。
そういうと、何を探してるんですか?どんなものを作ろうとしているんですか?

と聞かれるんだけど、実は別に探しているものは特にない。ものづくりの現場をとにかくたくさんみたいだけ。
大体工房にはオーナーがいて、太っていて、いかにもお金持ちそうで、ビジネストークをしてくる。職人さんたちは、真面目に働いているというイメージ。
こんな賞をとったとか、こんな技術をできるとか見せてくれるんだけど、なんともしっくりこない。言葉が心に響かない。

または、職人さんが楽しそうに働いているところもあるんだけれど、やっぱりいかに売れるか、効率を良くするかってところに焦点をおきすぎていたり。

それか、本当とりあえずやってる感じか。

はじめのころは、たくさん工房を回る中で、この商品すごく可愛い!絶対かごとあうし、絶対日本のみんなに気に入ってもらえるー!!なんて感じで、この工房と取引してもいいなーともおもってみたりもしていたのだけれど、
なんとも心がイェスと言わない。
これがなぜか分からず、連絡先だけもらい、帰る。

クオリティも素晴らしいし、fair tradeとも書いてある。なのに、なぜかわたしの心がイェスと言わない。

この状態がしばらく続いていた。

しかし最近ようやくわたしの心が動いた工房に出会った。

藍染の工房

藍染の工房

 

その工房にはじめてお邪魔した時、のびのびとした空気感や、素朴な村に好印象を感じた。
オーナーさんも、他の工房と同じようにでっぷりしている人なんだけど、他の工房みたいな威圧感や、絶対的存在感や、この人ボスなんですねっていういかにもな感じがなく、優しい笑顔で迎えてくれた。とても温かい人。言葉に嘘がない人だった。

何よりオーナーの息子さんのアユブが素晴らしく、普段はシャイで多くを語らないんだけど、布の話、染料の話(ここは自然染色しかしない)などをはじめると、目の色が変わる。そして話が止まらなくなる。

職人の写真

オーナーの息子さん アユブ


自分がこの村の伝統的な柄や染色方法を守っていかなければいけないという使命感、インドの人が伝統をわすれてしまう危機感、でも会社も守らなければいけないという使命感。とにかくとまらない。

この人は想いでものづくりをしている。

はじめてわたしの心が反応した。
この人と何かやりたい。

今回は時間がないので出来ないけれど、
2019年どこかで
彼らのお家にすませてもらいながら、
もっともっと布について、染色について、伝統について色々勉強させてもらいたいなって思った。

そして、日本にいるから、moilyをやってるからこそできる何かしらの方法で繋がって力になりたいって思った。

藍染を乾かしているところ

藍染を乾かしているところ

 

今後のことはわからない。たくさんたくさん話してやっぱり違うねってなるかもしれない。それはそれでいい。だけど、今はこの人たちと繋がりたい。そんなきもち。

わたしのやりたい物作りはどうも面倒くさい。笑
時間がかかりすぎる。
彼らとやるなら色々改善、改良するところも多そう。
それでもやっぱり私はそれがやりたい。
何を作るかじゃなくて、誰とつくるか。
それがmoily。

最後の写真のワンピース。
彼が作っている藍染の生地。
彼らの親戚の結婚式に呼んでもらったので、
せっかくなので彼らの生地で仕立ててもらってきてみた。

 

藍染ブロックプリントのワンピース

藍染ブロックプリントのワンピース

 

インドの旅日記。旅は自分との対話。

インドでは旅をしてまわらず、
1箇所滞在にするプランに変更して、
今はジョードプルに拠点を置いてる。

旅に出るまえは、3ヶ月も時間が取れるなんで今後なかなかないかもしれないし、とにかく色々な国へいこうと思っていた。

インドの後は、ウズベキスタン行きたいな。
イランも行きたいし。
パキスタンも、あ、スリランカもだ。


せっかくドバイで乗り換えるならオマーン もいっておこう。
ここまで来たら、ヨーロッパも行っておくか。

てな感じで色々詰め放題の旅にしようと思って、
航空券を調べてルートを考えていた。

だけど、インドをまわって思いだして来たのは「時間が勿体無から!」とかで飛び回る旅では、私の知りたいことは何も知れない。私がしたい旅じゃない。せっかく日本を出たのに、何まだせかせかしてるのーーーーーー!!!ってこと。

ドバイ行きのチケットをキャンセルし、結局インド、ジョードプル に留まった。
そしたら、少しずつわたしの周りがまわりだした。仲の良い人ができ始め、お家におじゃましたり、お酒を飲みながらお互いの人生観について語り合ったり。
町の噂話が聞こえて来たり、誰が権力を持っているのかとか、選挙の話や、宗教や、文化。忙しい旅では見られない色々なことが見えてくる。ほとんど観光客はいないので毎日インド人としか話していない。

 

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インドの町

その場所の日常を知ることで、
色々見えて来ることがある。

それでも全ーーーーー然わからない、つかめないインド
本当に不思議な国。もっともっと滞在したいなぁ。

今からここからバスで1時間くらいの村ににわたしの見たいものがあると、とあるおじいちゃんが教えてくれたので行くことになってる。
通訳としての友達(インド人)も一緒に来てくれるはずだったんだけど、「忙しいからごめん!やっぱ2人で行って」とギリギリドタキャンされたので、ヒンディーしか話さないおじいちゃんとの2人旅になる模様。笑 
楽しみだ。

今晩は、貧困女性をものづくりで支援しているインド人女性と会う予定だけれど、こちらももう3日ほど延期されてるからどうなることやら。笑 そんなゆるゆるインドです。

これくらいの方がわたしは心地よい。
時間を気にしてせかせか生きる生き方はわたしには合わないみたい。忘れていたこと色々思い出し始めてる。今回の旅はきっとそんな旅。

インドの結婚観。砂漠を旅して。恋愛結婚か、お見合い結婚か。

インドを歩いていると色々考えることが多い。

先日砂漠の中のちいさな村に滞在した時、同い年の女の子に18歳の娘がいた。
聞けば10歳の時に結婚したらしい。
12-13歳で子供を産んだ事になる。

そもそもIDカードもめちゃくちゃで、誕生日もわかっていないから、その歳が本当の年かもわからないけども。でも見た目は若そうに見えた。

その後17歳の息子さんと一緒にラクダに乗る機会があって、彼とゆっくり話すことができた。
ラクダって馬みたいに乗って操れること知らなかった。ラクダも走ります)

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ラクダの写真

 

「日本では結婚相手や時期は自分で決められるんでしょ?いいなぁ。僕は来年結婚しなくちゃいけないんだよ。本当は24-25歳で結婚したいのになぁー」

と言っていた。

相手も両親が決めて、相手を知るのは結婚式の日らしい。それまで顔も何も知らされないみたい。
離婚も絶対にできないと、彼は言ってた。

きっと彼の願いは叶わず、来年結婚するのだろう。

だからと言って、それは絶対に不幸なのかというと、多分そうでもないと思う。

日本に生まれて、気づいてなかったけど
たくさんの選択を自分でできるって、
場所によっては全然当たり前じゃないんだなぁ。

でも、選択肢が多い=絶対幸せ でもないよなぁとも感じる。

「インドでお金を騙すことは悪いのか。」考えるきっかけをもらった話。

先日こっちのお土産屋さんで働いている友人がこんなことを言っていた。

 

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「今日来たお客さん、顔を見たらとてもお金持ちそうだったから、『とってもお綺麗ですね』って言って3倍の値段をいったらとっても喜んで買っていった。」って話を笑ってしていた。

 

これ、多分日本にいたら「騙してる!!ひどい」ってなる話だと思う。

 

でも、話には続きがあって

このお金、実は彼には一銭も入らない。

ここのマーケットは観光客がたくさんくるエリアで、1ヶ月ずつ交代でものづくりをする貧しいクラフトマンに販売する権利が与えられる。

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(マーケットの参考写真。ここではない)

 

彼は英語を話すし、営業センスがあるので、クラフトマンが販売するための補助としてクラフトマーケットに給料をもらって雇われてる。

なかなかない機会になんとか稼いで欲しいという彼の想いからの彼の騙し。

 

なんで、そんなことするの?と聞くと

「自分がハッピーだから」と笑う。

 

うーむ。

彼は騙しているけど悪人ではない。

 

お金ってなんだろうとすごく考えたり、

そもそもお金ってそんなもんなのかもしれないと思うきっかけになった。

 

そもそも3倍の値段で買っていったお客さんは、その商品が、3倍の値段の価値に見合うと思って購入しているのだから、それはそれでありなのかもしれない。

 

またある時はこんなことを話していた。

 

「夜歩いてたら、よく会う物乞いの貧しい家族に会ってね。今日はちゃんとお金貰えた?って聞いたら、『あんまりだった。』って言って、夜ご飯のクッキーを買って帰っていこうとしててさ。少しお金を渡さそうと思って、ポケットを探したら2000ルピー札(3500円くらい)しかなくて。仕方ないから、全部あげちゃった😂。

そしたら、すごくびっくりした顔して『本当にありがとう。ありがとう』ってハグされて。なんか嬉しくて泣きそうになっちゃったよー。」

 

と笑っていた。

 

「なんでそうしたの?」と聞くと

「自分がハッピーだから」と。

 

ちなみに彼の1ヶ月の給料は3万円弱。

 

この考え方はどこから来てるのか知りたくて、

イスラム教の貧しい人を助けなさいという考え方なのか(彼はイスラム教)

それともインドも文化なのか。

 

ずっと何故だろうと考えているんだけど、逆に彼と同じような人をまだインドで見ていない。

なんなら彼は、お金の使い方にもっと気を使いなさいと周りから注意されている。笑

てことは、彼の性格なのか。。

まだ調査が必要です。笑

 

どっちにしろ、

彼と仲良くなれたからこそ

お金について考えるいいきっかけをもらえた。

 

面白い価値観の友達を持つことは

自分の枠を広げてくれて面白い。

 

インドの私の面白い飲み友達🇮🇳

イスラム教なのにね😂)

日々日々学び😊

 

久しぶりに海外に身を置いて。体調不良と人生の転機。

スォスダイ。

いや、ナマステ。moilyのきよみです。

今インドにいます。

 

11月から数年ぶりに旅に出ています。

そのことをブログにあげたくて何度も画面を開くも

記事を書くボタンがずっと(2ヶ月以上)押せなくて困っていました。

 

何度目かの挑戦で今日なぜか突然クリックできるようになったので、

過去SNSに書いたり、書き留めているものを少しずつ更新していこうと思います。

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インドの家族

今日は今日までのことを少し説明。

 

2018年11月とても久しぶりに旅に出ました。

2018年はもうずっとずっとずーーーーーーーーーっと仕事をしていました。

休みなく。もう自分が何者かわからなくなるほどで。

休みなんて最後に取ったのはいつだかわからないし、

(多分1年で3日ほどは休めたかも。と言っても結局仕事のことを考えてしまう)

実際旅に出る直前は朝6時から夜中の3時までノンストップで仕事をするような日もあり。(ご飯中も仕事)汗 

 

とにかく旅直前まで頭がおかしくなりそうなほど仕事をし(笑)

実際に少し頭がおかしくなってしまい(笑)

日本語が聞こえない環境に逃げたいという気持ちで日本を飛び出しました。

 

カンボジアで仕事した後の予定は、

とりあえずインドへの切符は取っておいたものの、その他は特に決めず

(というかいっぱいいっぱいで頭にスペースがなく、旅行プランを考える隙間すらなかった)

頭を休めたい。苦しい。と、どちらかというと逃げる感じでスタートした旅。

長くて3ヶ月。帰りたくなったらいつでも帰ろう。

と、もう本当完全ノープランの旅がスタートしました。

もちろん片道切符。

 

カンボジアまではとにかく仕事モード。

それでもカンボジアの穏やかで優しくて、そして自由な人柄に助けられ

少しずつ日々の疲れから解放されている気持ちでいました。

 

しかし、何もしていない時間、生産性のない時間に不安になり、

何無駄な時間過ごしてるんだろって、カンボジアにいながらもそわそわする毎日。

パソコンでできる仕事をし続けたり、隙間時間に映像を見ながら勉強したり。

 

頭がカチカチに凝っているのが自分でもわかるほどで、

この頭パンパン状態から抜け出したい!!!!でも抜け出し方がわからない!!!!ともう自分で自分がコントロールできないでいました。(苦しかったなぁー)

 

カンボジアで生活し数日経っても

あまりに頭が凝りすぎて頭痛がするので、マッサージへいくことに。

 

そのマッサージ屋さんがたまたまキャンペーンをやっていて、

1時間も2時間も同じ料金だったので(笑)

迷わず2時間コースを選択。

 

頭や肩周りを中心にほぐしてもらえるようお願いしました。

 

2時間後、こんなに頭ばかりに刺激を入れられたことがなかった私は、

なんとフラフラになってしまいました。

しかも激しい吐き気におそわれ

自転車を漕いでアパートまで帰るまでに(たった5分の距離)、

何度自転車を降りて休憩したか。

 

それほどフラフラになってしまいました。汗

 

その後、何も食べていないのにお腹も壊し、

身体が何も受け付けないようになり

2日間絶食状態に。寝たきり状態になりました。

 

3日後少しだけ仕事を。でも数時間でダウン。

4日後も同様。数時間だけ仕事。

5日後はもうカンボジアを出国の日。

 

とりあえず取ったインドへ向かうチケットがあったので

フラフラになりながら乗り換え地点のマレーシアへ。

倒れる前マレーシアでも久しぶりに観光したいと思って

マレーシア観光の日を1日取っていましたが

もう、それどころじゃない。長い時間歩けない。

急遽空港直結のホテルをとり、1日爆睡。

 

それが良かったのか、起きてみると驚くほど体調が回復。

久しぶりに何を食べてもお腹を壊さなくなり、

完全復活!!!!!ようやく苦しみから抜け出し、

 

最高の状態でインドのデリーに入国することができたのでした。

 

 

今思えば

あの、魔の5日間が最高の私のデトックス期間でした。

動きたくても動けない。

考えたくてもしんどすぎて考えられない。

身体の中の悪いものは、全て出ていく。

水すら受け付けない。

そんな時間が私の頭と心と身体を本来の状態に戻してくれたように思います。

 

それまでは自分が何を感じて、何を考えているかわからなくなっていたもんなぁ。

 

日本では

「動くのが大切」だと言われるけれど、無理して毎日動かなければいけないわけじゃない。

「時間を無駄にするな。1日は24時間しかない」と言われるけれど、ゆっくりしたり、ぼーっとして自分の感情と向き合ったり、何も考えない時間もとても大切な時間。

 

それを思い出されてくれた5日間でした。

 

でも実は「きっとどこかで大きく体調を崩すかも。」

と旅に出る前からわかっていた今回。笑

いつも何かを始めたり、切り替えのタイミングは

必ずと行っていいほど大体数日動けなくなるほど体調をくずす。

 

2009年初めてカンボジアへ行って衝撃を受け人生が変わった日、

外で痙攣して倒れてしまい嘔吐が止まらず、次の日ホテルから出られなくなった。

その後、卒業後は世界一周することを決めた。(それまで海外に興味を持ったことなんてなかったのに!)

 

 

自分のやることが見えなくなって、旅に出た2013年はデング熱になってしまい

入院したタイの病院でカンボジアでビジネスを始めることを決意した。

 

2014年カンボジアで仕事を始めた時も、カンボジアに入り数日で

原因不明のひどい頭痛に襲われ歩けなくなり、2日宿から出られなくなった。

でも、だからこそ焦らずカンボジアのペースに合わせた仕事ができるようになった。

 

今回もそんな感じ。

体調不良はいつも何かの転機になる。

 

今回も、旅に出る前はただ日本から逃げたかっただけなのに

旅に出て2ヶ月半たった今、私はここインドで何かを始めようとしてる。

 

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人生って面白い。